コラム【ハンバーグには全国各地特徴がある】
みんな大好きハンバーグ。
実は地域ごとに味の差があることはご存知だろうか?
九州地区のハンバーグを再現するポイント
畜種 : 牛・豚の合挽き配合とする
玉ねぎ: 食感をしっかりと出す
香辛料: ナツメグ等ではなく、生姜を使用する
実は上記3つのポイントがあるんです。
なぜなのか、ハンバーグの歴史とともに解説していきます。
ハンバーグのはじまり 参照 引用:一般社団法人 日本ハンバーグ協会
ハンバーグの起源は18世紀頃、ドイツの港町ハンブルクで労働者に人気のあったタルタルステーキだと言われています。
タルタルステーキとは、13世紀頃ヨーロッパまで攻め込んでいたタタール族が食べていた生肉料理を原型としています。
タタール族は遠征の際、食料として連れて行った馬を食料にしていました。しかし、この肉は大変固く、筋張っていたため、タタール族はミンチにして食べる方法を考えだし、食べやすくする工夫を行いました。これがハンバーグの起源とされるタルタルステーキの原型と言われています。
タルタルステーキはドイツのハンブルクから、「ハンブルク風ステーキ」として欧米諸国に広まり、明治になり、開国した日本にも伝わりました。ただ、当時の日本で畜肉料理を味わうことが出来るのは、ごく一部の人に限られていました。
その後、日本では「ハンバーグ」として独自の進化を遂げながら、一般家庭に定着していきました。
という歴史があり、ハンバーグができたわけなのですが、
なぜ九州地区においては3つのポイントがあるのか。
① 合挽き肉
九州においては、江戸時代から豚の肥育が行われており、将軍家への献上も行われていました。これは南九州がシラス台地で稲作に不向きであったこと、豚の肥育を行っていた琉球と交流があったことに起因しており、牛の肥育よりも歴史が長いもので、現在でも南九州は豚の飼育頭数が全国一(鹿児島1位、宮崎2位)です。
豚肉が非常に身近であったことから、合挽き肉のハンバーグが広く浸透したと考えられます。
② 玉ねぎの食感
玉ねぎの生産量は佐賀が全国2位、長崎が4位で、九州では馴染みのある食材です。
そのため、九州のハンバーグには広く使用され、しっかりと存在が感じられるようになっていると思われます。
③ 香辛料に生姜を使用
生姜は温暖な土地で生産されるため、九州での生産が多くなっています。これは寒冷地では枯れてしまい、十分に成長しないためです。生産量は熊本が全国2位、宮崎が3位、鹿児島が5位となっています。
生姜は豚肉との相性も非常に良いため、九州では黒コショウやナツメグではなく、合挽き肉のハンバーグに生姜が広く使用されるようになったと思われます。
九州地区のハンバーグは以上の理由により、
① 合挽き肉を使用
② 玉ねぎの食感がある
③ 香辛料に生姜を使用
の特徴を持っています。
みなさんためになりましたでしょうか?
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